子供のしつけをノルウエーの刑務所から学ぶ、なぜノルウエーの刑務所は再犯率が低い?!

2017年1月26日

  • ノルウエーの優雅な刑務所に再犯率が低いのはなぜ?!

NHK 未来への提言「囚人にやさしい国からの報告」犯罪学者ニルス・クリスティより

刑務所の待遇が良く、世界一囚人に優しい国ノルウェーは、

再犯率が低い。

「厳しいしつけ」が良い子を育てるのか?アメリカの実験編 少年犯罪に厳罰は良くない?で、

 アメリカの刑務所で、厳しく罪を反省させたら、

かえって再犯率が増えてしまったお話をしましたが、

逆に犯罪者に優しくしたらどうなるのか?ということから応用して、

子供が「お友達のおもちゃを盗んだ」とか、「たたいてケガさせた」とか、

悪い事をした時の、しつけの参考にしていただければと思います。

日本の刑務所も、世界レベルでは「囚人に優しい国」のほうですが、

北欧、特にノルウェーはすごい。

★ ノルウェーの刑務所は快適!

ノルウェーの刑務所に、鉄格子は無し。

個室にトイレだけでなく、シャワー、冷蔵庫、テレビまであります。

ネットには接続できませんが、パソコンも使え、ゲーム機の持ち込みも自由。

喫煙も、服装も、髪型も自由。

外壁もコンクリートでなく、おしゃれなレンガなどで、まるでホテル。

図書室や音楽室も、自由に使え、コーヒーが飲めるホテルのラウンジみたいな部屋も。

また、囚人の家族用の宿泊施設も別にあります。

キッチンで調理を楽しむこともでき、刑務所職員や所長も囚人と同じテーブルで食事をする。

「こんな制度は日本の刑務所では、あり得ない」と話すと、

ノルウェーの刑務所の所長は逆に、

「日本のそんな制度では、囚人が社会に適合できなくなる」という。

★ 刑務所って何のために必要なの?

 ノルウェーの受刑者同じで「日本の様な刑務所生活をしていたら、

社会に戻るのが難しくなる。変えた方がいい」とコメントした。

ノルウエーの刑務所所長はいう

「(刑務所で)ひどい扱いを受ければ、もっとひどい人間になり、社会に適合できなくなる」という。

つまり、「刑務所とは、更生のための施設」と言う考え。

しかし、被害者やその身内なら、「刑務所は処罰する施設」という考えてしまいがち。

では日本の刑務所の目的は?

現行の法律(通称「監獄法」)では、「更生」と「社会復帰」が目的。

しかし、多くの外国では、「刑務所は処罰のため」という考え方が一般的で、

非人道的な行為が行われています。

  • ノルウェーは、なぜ「囚人に優しい刑務所」に?

★ ノルウェーの囚人数の歴史

1960年代、少年犯罪の増加に悩むノルウェーは、犯罪少年に厳罰化した。

しかし、その結果、犯罪は増え続け、再犯率は 90%を越える。

1970年代の後半、ノルウェーは、

「犯罪者を社会から隔離せず、積極的に社会でボランティアに関わらせる」という〈社会的刑罰〉を導入、

刑務所の目的を「社会復帰」へ政策を変更した。

この動きの中心が、ノルウェーの犯罪学者のクリスティ。

彼は「刑罰を厳しくすれば、犯罪は減るどころか悪化し社会は崩壊する」と訴える。

クリスティは、世界中の刑務所を訪れ、囚人が増える原因を調べた。

そして「囚人のほとんどは失業者など、社会からの逸脱者で、厳罰化しても犯罪抑止にならない」と結論。

きっかけは、第二次世界大戦中のノルウェーにあったナチ収容所での出来事を知ったから。

  • ナチスに支配されたノルウェーの強制収容所でも大虐殺があった。

多くのノルウェー人がナチスの残虐行為に荷担した。

しかし、残虐行為をしなかった少数のノルウェー人は、どこが違ったのか?

● 殺せない理由

殺害などに荷担しなかったノルウェー人は、収容者と、家族のことを話したり、

人間的なコミュニケーションを持っていた。

クリスティは、この事を取り上げた論文にこう書いている。

「人は特異な状況下では、どんな残忍な行為もしかねない。

しかし,相手を人間だと思えばそう簡単には殺せない」

彼は、語ります。

「普通の人は犯罪者をモンスターだと思ってます。

しかし、私はこれまでモンスターに会った事はありません。

みんな人間でした。

社会的な生活環境を整えれば、彼らを人間としてみる事ができるのです」

 厳罰化によって「犯罪者が苦しめば苦しむほど、いい社会になる」という考えは、

「逆の結果になる」とクリスティは言う。

これは学校や家庭でも同じ。

クリスティは、「刑罰は報復だ」という考えは間違いという。

「受刑者はこれまで、人生を苦しんできたから犯罪を犯した、それなのに、さらに苦しめれば、

もっと悪い人間になる」と。

だから、「衣食が足りたら、人は他人の笑顔を求める」と考える。

人は自分が幸せなら、他人に親切にできる。

しかし、自分が不幸な時、人の幸せを願える人は、キリストのような人くらいではないでしょうか?

ノルウェーが厳罰化をやめた最大の理由は、ノルウェー独自の参審員制度。

その特徴は「犯罪者を理解すること」を重視する。

「誰が罪を犯してもおかしくない」と考える。

誰でも、間違いはある。

 少年犯罪厳罰派のある議員が少年事件の参審員になった。

国民は、きっと厳罰を下すと思われていた。

しかし、彼はこの裁判で「軽い刑罰」を求刑した。

インタビューで彼は、こう言った。

「私の厳罰化の考えは変わりません。でも、あの子は特別です。だって普通の子ですよ」

つまり彼は、その子を理解した。

クリスティは言う。「多くの子どもは、時には犯罪に値する行為をする。

物を盗んだり、兄弟を殴ったり・・。

しかし、そういう子どもを我々は〈犯罪者〉と呼ばないし、その行為を〈犯罪〉とも考えない。

それはなぜか」

これは、学校や家庭でも同じで、ケンカがあったと暴行罪で告発したり、

盗みがあったと、窃盗罪で警察に突き出したりしない。

こんなことで「犯罪」とは、考えないはずです。

★ 理解

 クリスティは言う。「なぜ我が子を告発しないのか?

親は子供がそうせざるを得なかった事情を知っているから。

親なら、子供を全体的視野から見ることが出来るから」

学校では、生徒の間違いも理解できる。

そして、大事なのは、処罰する事ではなく、理解し、間違いを繰り返さないように導く事。

しかし、我々は、知らない人の犯罪には、こういう対応を取れません。

だから、いつも移民や少数民族などに対する偏見が、我々の対応を誤らせる。

だから。相手を理解する必要がある。

「甘い」と言われても、私は生徒を、人間を理解するところから始めたい。

「罰」は、本当に必要なのでしょうか?

有名なサンデル教授も「現代社会で私たちはお互いを知らなさ過ぎる。

市民レベルの連帯が必要」と主張する。

民主主義とは、互いを理解すること。

ノルウェーの司法制度の特徴は、対立調停委員会。

これは、裁判の前に、加害者と被害者が話し合う制度。

参審員と同じく、ここでの調停員には、市民がなる。

そして、ここで調停が成立すれば、加害者は裁判で裁かれない。

  • ノルウェーは、どれぐらい裁判にならず調停で済むの?

調停委員会には、年間約 1万件が持ち込まれ、

そのうち、9 割は合意して、裁判にまで、なりません。

ノルウエーは「罰が目的ではなく、解決を目指す社会」ということ。

クリスティは、この事を「先住民族の智恵から学んだ」と言う。

「報復が新たな報復を生むように、罰は新たな犯罪を生み、解決にならない」

という先人の智恵。

これは、南アフリカ共和国、初の黒人大統領マンデラの政策と同じ。

彼は、過去の白人の犯罪を告発せず、和解を選んだ。

ノーベル平和賞

 殺人犯など重罪者用の刑務所がノルウェーのバストイ島に収容されている。

その生活は、軽犯罪者用の刑務所と全く同じ待遇。

その島は、囚人用の一戸建ての家が建ち並び、受刑者はそこで自由に暮らす。

普通の生活との違いは、一日数回の点呼と、短時間の労働があり、家にカギが無いことぐらい。

受刑者が希望すれば、読み書きから大学レベルの授業まで受けられる。

家に、鉄格子もなく、テレビやパソコンもあり、外出も自由。

ここの生活の目的は、「助け合いで社会生活を学ぶ」「ルールを守る事の大切さを学ぶ」こと。

さらに驚く事に、囚人たちに「社会や家族との関わりが途切れないように」と、

囚人たちは、休暇を取って、家族に会いに島の外に行ける。

クリスティは言う。「受刑者は普通の人間、多くの刑務所は拷問の場だが、

拷問は本当の意味で人を更正させることはない。

ノルウェーでもかつて〈まずい飯を食わせることが罰だ〉

〈懲らしめれば罪を犯さなくなる〉と考えたが、それは間違いだ」

  • 犯罪を減らす、クリスティの考えとは?

クリスティは言う。

「犯罪は存在するのではなく、創られる。罪も同様。」

人に嫌がられる行為をしないようにさせた古くからの風習が無くなり、

現代社会は、小さな法律違反も犯罪者とみなし、

そんな風潮にたいする抵抗は、ほとんど無くなり、また取り締まりの新たな技術が次々に登場した。

我々の社会は、犯罪が大量生産される。

犯罪と定義できる行為が無限にあるこの状況から、

あらゆる種類の嫌がられる行為に対する争いの無限の可能性が生まれる。

犯罪取締市場を、奴隷的安価な労働力を求める企業が狙っている。

「規則増やせば違反も増える」。

校則らしきものが無かった学校では、過去12年間、一件の指導事件もなかった。

それは、非行を創らなかったから。

現在は、「人を見たら泥棒と思え」という風潮で、

「不審者」という「犯罪者」がたくさん生み出されます。

また、奈良県では、「不登校」を「犯罪」とする条例が可決された。

まさに、「犯罪は創られる」。

では、犯罪を減らすには、どうしたら良いのか?

クリスティは「自分たちの問題は自分たちで解決すること。地域やコミュニティで行うこと。

全ての人に生きる基盤を保障すること」と言います。

そして、「すべての人間は人間、モンスターでは無い」事を忘れてはならない。

  • 刑務所が快適なら、犯罪を繰り返さないの?

日本の再犯率は、40%を超えるがノルウェーの再犯率は?

★ 快適な刑務所、ノルウェーの再犯率は20%以下で、とても低い。

快適で優しい刑務所なのに、再犯は増えてない。

あるノルウェーの刑務所の所長は「ノルウェーの刑務所制度では人権を尊重する事を重視します。

これは当たり前の事だと我々は考えます。収監されるとき、受刑者の多くはひどい状態です。

彼らに健康を取り戻させ、教育と仕事を通じて自信を与え、

入って来たときよりベターな人間として出所してもらいたい」

犯罪者だって、人間であり、同朋です。

そして、ノルウェーは、現代的で文化的な刑務所で受刑者の更生と社会復帰を支援することで、

さらに犯罪率・再犯率を下げることを目指す。

では、日本は?

司法福祉専門家の野田正人さんは「叩いてでもしつけなければならないと考える親が、

5年ごとに 10%ずつ増加し、現在70%になる」といいます。子育ても厳罰化。

そして、法務省は「日本で問題は、再犯率の高さ」といいます。

日本は、囚人数は少ないのに、再犯率が高い。

それは、

厳しく罰するからでは?

ノルウェーの実験の結果は、厳しく罰してはいけないということ。

ここからは、一条保育園代表のマイケルの意見です。

特に、自分が厳しい親に育てられた人ほど、この考えを受け入れられず、

自分の親と同じように子供に厳しい罰を好む傾向があります。

あなたは、厳罰にも負けずに、まっすぐに育ったかも知れませんが、

あなたの愛する「我が子」が、

あなたのように育つ保証はありません、

人間は一人では弱いものです。

それで良いのです。

人の間で生きるから人間なのです。

正しく生きることを、自分で選べる様に、暖かい目で見守ってあげて下さい。

怒りでしつけるのではなく、

悪いことをしたならば、心配の眼差しで、心を癒してあげて下さい。

 もし、あなたがイライラして子供に優しくなれないのは、

体のゆがみが原因なのかもしれません、

体がつらい時は、優しくなれないものです。

そんな自分を責めれば責めるほど、ますます子供に厳しくなってしまうものです。

もう自分を責めないで、あなたの心も体に、優しくしてあげることが、

子供たちの幸せにつながると一条整体は考えます。

どうか、私たちに、あなたを優しいママにさせてください。

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■典拠文献

ニルス・クリスティ『司法改革への警鐘』信山社、2002
ニルス・クリスティ『人が人を裁くとき』有信社、2006

■参考文献

明橋大二の著書
例えば『子育てハッピーアドバイス』シリーズ。漫画も多く、楽しめます。

子供たちの幸せをねがう 

ママのための一条保育園

一条整体院

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