宿便なんて医学的には無い?
宿便なんて無い?
雑誌やネットの広告の便秘解消法に、
「宿便が取れる」と言うものがある。
便秘がちな人の腸には数キログラム分の宿便がたまっていると言う。
その便秘解消法を実践すれば宿便がどっさり出るという。
便秘のために、便がなかなか出ない、
やっとの思いで排便してもスッキリ感がない。
だから「私のお腹には宿便がたまっている」と考えてしまう。
この宿便が肥満や肌荒れの原因ともされる。
確かに、整体で便秘が解消した方は、急激にウエストが細くなり、
下腹がペッタンコになる。
しかし一体、宿便とはどんなものなの?
宿便に関して広告で説明されているのは、
デコボコした腸のくぼみに古い便が入り込んで、
そのまま溜まり続けるという。
そもそも"宿便"とは何か?
そこで、NHKのためしてガッテンで便秘の方の大腸を、
内視鏡で調べてみると・・・
そんな便は、見当たらない。
大腸の中はとてもキレイ・・・。
テレビに出演した医師の話によると、
腸壁に古い便が積もり積もって
溜まっていくとは医学的にはないらしい。
腸の壁はひだ状になっているが、
蠕動運動(ぜんどう運動)によって波打っているので、
常に同じ場所が谷になっているのではない。
つまり谷の部分が山になったり谷になったりを繰り返す。
また腸の細胞は数日という周期で生まれ変わる。
腸の古い細胞は便とともに排泄されていくので、
便が何ヶ月もそこに留まってへばりついていることはあり得ない。
結論としては、医学的には宿便は存在しないという。
だだし、大腸に憩室が出来ていたなら、宿便は考えられると私は考える。
憩室(けいしつ)とは大腸の壁の一部が外へ袋状に飛び出しているもの。
ふつうは無症状で大腸検査で偶然発見されることが多く、
無症状の人は検査以上のことはしてくれない。
長時間留まる便が、腐敗して毒を出すことは十分考えられるので、
軽い便秘の方の腸内を調べて、
宿便が無いと断定するのはどうかと私は思う。