鳥肌胃炎って胃がんになるんですよね?!
鳥肌胃炎のお話。
「鳥肌胃炎って胃がんになるんですよね?!」
「私は死ぬかもしれないんですよね?」
22歳の大学生が胃が痛いから、
病院で内視鏡検査をしたら、鳥肌胃炎と判断されて来院。
以前、胃がんの方に整体をしていて、
胃ガンが消えた人がいて、
その噂を聞いて来たという。
「がんなんかで死にませんよ」
と言ってもなかなか安心しない。
そんなに気に病むから、本当にガンになるのだが・・・。
鳥肌胃炎は若い女性に多い胃炎。
内視鏡で見ると、
胃の中が 皮膚の鳥肌に似ているので、鳥肌胃炎との名前に。
最近まで鳥肌胃炎は、子供に多く、
病気ではないと考えられていたが、
最新の研究で、
鳥肌胃炎のほぼ全員、ピロリ菌の感染者とわかった。
しかも、
鳥肌胃炎は胃癌になると言われ始めた。
このタイプの胃癌は若い年齢の女性に多く、
ある研究では平均年齢は30代の前半。
19歳で胃癌になるのケースも。
ある研究では、鳥肌胃炎の人は60倍以上、癌になり易いと言う。
だから、
鳥肌胃炎=胃がん予備軍・がんの前病変
と思われている。
ちなみに症状は上腹部痛、胸焼け、げっぷなど。
原因は、ピロリ菌への感染により胃の粘膜内にリンパ球が浸潤し、
リンパ濾(ろ)胞を形成した結果起こると考えられていると。
私も聞いたことが無い新しい病名なので、ネットで調べてみた。
鳥肌胃炎→胃がん発生は、本当なのか。
静岡県浜松市の幸田クリニック 幸田隆彦院長のブログのから引用。
恐らく、説明をした医師も、あまり情報がないから、
胃がんの発生の危険が高いと説明しお客様が、
鳥肌胃炎=胃がん宣告間近と誤解する。
まず、鳥肌胃炎が、ピロリ菌と関係があることは事実。
しかし、ピロリ菌に感染しても、
鳥肌胃炎になる人とならない人がいる。
先生の経験では、
ピロリ菌感染者の小児期(10歳を超えた程度)の子供が、
何度も胃の痛みが起こる場合、
内視鏡検査を行ったら、
ほとんど、鳥肌胃炎が見つかった。
ピロリ菌に感染するのは、乳幼児期とされるので、
赤ん坊のときにピロリ菌に感染して学童期くらいになると、
一旦はほとんどみんな鳥肌胃炎になるのではないか。
その後、大人になるとピロリ菌感染が陽性なのに、
鳥肌胃炎になる人は少ない。
つまり、普通は鳥肌胃炎は自然に改善すると考えられる。
大人になっても、鳥肌胃炎なのは女性が多い。
なぜ女性に鳥肌胃炎が多いのかは不明。
でも女性でも50代60代では見られないそうだ。
また先生の経験では小児期には男女差はないという。
では、鳥肌胃炎→胃がん発生 とは、果たして本当なのか。
川崎医科大学の春間教授らの研究で、
ピロリ菌は胃がんの原因と証明されたので、
鳥肌胃炎が胃がんの原因かどうかは、
ピロリ菌に感染して鳥肌胃炎になっている人と、
鳥肌胃炎になっていない人で、
胃がんの発症率に差があるのかを調べなければわからない。
鳥肌胃炎の方が胃がんになりやすいというデータの根拠は、
鳥肌胃炎の方と鳥肌胃炎でない方を比べると、
鳥肌胃炎の方が圧倒的に胃がんの危険性が高いということ。
しかし、鳥肌胃炎の方は100%ピロリ菌感染者で、
非鳥肌胃炎の方はピロリ菌がないので当然の結果、
これだけで鳥肌胃炎が胃がんの高度危険因子とするの無理がある。
次に鳥肌胃炎に発生する胃がんについて。
鳥肌胃炎が胃がん発生の原因なら、
鳥肌胃炎の場所にがんが出来るはず。
鳥肌胃炎が胃がんになりやすいなら当然。
しかし、現実は違う。
鳥肌胃炎は基本的に、胃の出口付近(前庭部)を中心として発生。
しかし、鳥肌胃炎に合併する胃がんは、
胃の真ん中部分(胃体部)に発生し、
鳥肌胃炎から出来る訳ではない。
つまり、鳥肌胃炎と胃がんはほとんどの場合、
全く違う場所から発生する。
だから鳥肌胃炎ががんの原因なのか疑問が残る。
研究医の言い分は、
「鳥肌胃炎を起こしている胃はがんの発生率が高いが、
鳥肌胃炎粘膜自体が胃がんになりやすいわけではない」ということ。
この点について、臨床医も誤解をされている方が多い。
それでは鳥肌胃炎に出くわしたときにどのように対処すべきか。
幸田 隆彦 先生はピロリ菌感染を、きちんと除菌することは良いといわれる。
現状は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の方しか保険適応しないので、
鳥肌胃炎の場合は全額自費ですが、1万円弱程度なので、
除菌がオススメと先生はいわれる。
でも、
ピロリ菌の除菌が成功しても、鳥肌胃炎が改善しない!
場合は、胃がんになるの?
はっきりした研究はまだ無い。
もし鳥肌胃炎が原因なら、
ピロリ菌がいなくなっても鳥肌胃炎が残れば胃がんが発生する。
鳥肌胃炎がピロリ菌感染による一つの胃炎形態に過ぎないなら、
ピロリ菌が除菌されれば鳥肌胃炎は気にする必要はない。
この点については研究データ出てくるものと思われるが、
先生は後者である可能性が高いと考えると言う。
ピロリ菌が除菌に関して付け加えると、
胃の膨満感や軽い痛みやムカつきなど、
全てピロリ菌感染が原因であるかの説が横行している。
もちろんピロリ菌感染が胃の運動能を低下させることあるが、
除菌をしても症状が改善しないことは多い。
幸田クリニックでも約半数近くは改善しないそうだ。
挙句の果てに、
除菌できても症状が良くならないのは鳥肌胃炎のため、
などという説明を受けている方も・・・。
もともと胃の症状には潰瘍やがん、胃炎といった粘膜傷害が起こって
出現するものと、
胃の動きが悪くて出現するものがある。
我々開業医が日常で多く経験するのは胃の動きが悪くて起こる場合。
胃が痛くて内視鏡をしたら、胃に数mmのただれがあり、
それが原因で胃が痛くなったと説明を医師から受けた人が多い。
数mmのただれで胃が痛くなるなんて、
幸田先生はナンセンスだと指摘。
検査で無症状の方に胃カメラをしても、
数mmのただれは普通によくある。
その人たちは全くの無症状。
胃の動きを改善していくような方法を行っていけば、
かなりの確率でピロリ菌が陽性でも症状は軽快するもの。
胃の症状を胃粘膜傷害のみから説明する病院では、
何年通っても症状は良くならないと勇気ある発言でした。
残念なのは、胃の動きを良くする一番良い方法は、
胸椎の4・5・6・7番のねじれが原因であり、
胃の動きが良くなれば、胃の血行が良くなる。
血行不良が胃の痛みの原因。
胃の痛みが無くなるだけでなく、
血液には免疫細胞が含まれているので、
菌と戦うことが出来る。
ピロリ菌があっても自然に改善するのが普通、
だからピロリ菌の除菌さえ必要かどうかは疑わしい。
薬を使わない方法も先生に知って欲しかった。
子供たちの幸せをねがう、
〒630-8115 奈良県奈良市大宮町1-3-7-2F 0742-35-4976
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